概要
本検証では、Raspberry Pi 5において、Grove Base HATが従来(Raspberry Pi 4)と同様に利用可能かを確認しました。
結論として、lgpioを使用することで、Raspberry Pi 5でもGrove Base HATは利用可能であることを確認しました。

検証内容
以下の2点について動作確認を行いました。
- Grove LED(デジタル出力)によるLチカ
- BME280(I2Cセンサー)による温度・湿度・気圧の取得
Grove LED(Lチカ)
Grove LEDをD5ポートに接続し、lgpioで制御しました。
import lgpio
import time
LED_PIN = 5
h = lgpio.gpiochip_open(4)
lgpio.gpio_claim_output(h, LED_PIN)
try:
while True:
lgpio.gpio_write(h, LED_PIN, 1)
time.sleep(0.5)
lgpio.gpio_write(h, LED_PIN, 0)
time.sleep(0.5)
finally:
lgpio.gpiochip_close(h)
Raspberry Pi 5では、gpiochip4を指定することで正常に制御できることを確認しました。
冒頭の写真の青色LEDが点滅することを確認しました。
BME280(I2Cセンサー)
Groveコネクタ経由でBME280を接続し、I2Cアドレス(0x76)を確認した上で値を取得しました。
import smbus2
import bme280
import time
port = 1
address = 0x76
bus = smbus2.SMBus(port)
calibration_params = bme280.load_calibration_params(bus, address)
while True:
data = bme280.sample(bus, address, calibration_params)
print(f"Temp: {data.temperature:.2f} C")
print(f"Hum : {data.humidity:.2f} %")
print(f"Pres: {data.pressure:.2f} hPa")
print("-----")
time.sleep(2)
BME280のライブラリは、検証目的のため以下のコマンドでインストールしました(強引版)。
pip3 install RPi.bme280 --break-system-packages

このように表示されました。
技術的背景(Raspberry Pi 5のGPIO構造)
Raspberry Pi 5ではGPIO構造が変更されており、従来のRaspberry Pi 4とは挙動が異なる点があります。
Raspberry Pi 5では、GPIOを含むほぼすべてのI/O制御が、新たに搭載された独自チップ「RP1」に集約されています。 この構成により、従来のSoC直結のGPIOとは異なり、I/Oの扱いが内部的に分離されています。
そのため、Grove Base HAT経由のGPIO制御についても、このRP1側の構造を前提とした扱いが必要になります。
本検証では、Grove Base HATはgpiochip0ではなくgpiochip4に接続されており、 lgpioで制御する際にはgpiochip_open(4)を指定する必要があることを確認しました。
つまり、物理的な接続としては 「Raspberry Pi本体 → RP1 → Grove Base HAT → 各デバイス」 という構成になっており、Grove HATの前段にRP1が存在する形になります。
この点を理解せず従来通りの実装を行うと、GPIO制御ができない場合があるため注意が必要です。
補足:Groveコネクタの柔軟性
今回使用したBME280は市販のGroveモジュールではなく、 センサー単体にGroveコネクタを取り付けた自作構成のものです。(冒頭の写真の白い箱のようなものです。)
アクリル板で簡易的なケースを作成し、 センサー部分のみ外気に触れるように開口を設けています。
Grove Base HATは専用モジュールに限定されず、 電圧および信号仕様が一致していれば、自作センサーでも接続して利用可能です。
Groveはモジュール規格というよりも、配線を簡略化するためのインターフェースとしても有効です。
今後の検証予定
- PWM制御(モータードライバ等)
- UART通信デバイス
- WiFiとの連携(統合検証)
まとめ
Raspberry Pi 5においても、lgpioを使用することでGrove Base HATは問題なく利用可能であることを確認しました。
ただし、gpiochipの指定など、Raspberry Pi 4とは異なる点があるため、 内部構造を理解した上での実装が必要となります。
本検証は要素検証としての位置付けであり、 今後は複数要素を組み合わせた統合検証へ進めていく予定です。

